世界初のSiCパワーデバイス 反転型SiC-MOSFET* 作成(1986年) 

Si*基板上に. 反転型SiC-MOSFET* を作成. 今日のSiC*基板上SiCパワーデバイスの先駆け    iC半導体研究業績紹介

   IEEE Electron Device Lett.誌に掲載      

ステップ制御エピタキシャル成長法*(「ステップ制御エピタキシー」)を実現

SiCパワーデバイス実用化を可能にした.   iC半導体研究業績紹介

2005年 SSDM Award受賞   SSDM  

用語説明: 「MOSFET」(モスエフイーティー)…(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)金属酸化膜半導体電界効果トランジスタまたはMOS型電界効果トランジスタ 「反転型SiC-MOSFET」… 電流を遮断できる性能をもつMOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)のこと。MOSFETを実用化するうえで、もっとも基本となる性能のひとつ.  Si」 …シリコン 「SiC」… 炭化ケイ素(シリコンカーバイド).  「ステップ制御エピタキシャル成長法」「ステップ制御エピタキシー」のこと. 高品質の(SiC)エピタキシャル薄膜結晶を成長させる方法 .

 反転型SiC-MOSFET(MOS型電界効果トランジスタ)の断面模式図. Si(100)基板上に成長した3C-SiC(100)薄膜結晶を用いて作成した.〔ページ最初のカラー断面模式図の元となる図〕
SiC-MOSFETのドレイン電流・電圧特性

芝原が作成したこの反転型MOSFETは世界初のSiCデバイスで, 今日 電気自動車などに実用化されているSiCパワーデバイスの先駆けである.

SiC半導体研究業績紹介

このページ最初部分、反転型SiC-MOSFETは、このCVD装置を用いて、シリコン(Si)基板上にシリコンカーバイド(SiC)結晶薄膜を成長させて作成された. 反応管の中で、シラン(SiH4)とプロパン(C3H8)を反応させ、Si基板の上にSiC薄膜膜結晶を成長させる. ディボラン(B2H6)とフォスフィン(PH3)はドーピングガス. ガスによって不純物を添加し、電気的性質をコントロールする.

球面研磨を施したSi(100)基板上に3C-SiC薄膜結晶を成長させた試料の写真.

この球面基板上への成長の結果より、(100)基板を<011>方向に2度傾けた基板を使うことにより, APD(Anti-Phase-Domain)のない3C-SiC膜が得られるようになった. 

〖 球面研磨基板上にSiC薄膜結晶を成長させたところ、結晶の軸の向きによって表面が荒れている部分(写真では白や灰色)と鏡面状の部分(写真では線状の黒色,こちらが良い)ができた. 結晶の軸の向きが(100)面で<011>方向に2度傾いているSi基板を用いるとその上に良いSiC薄膜結晶が成長するとわかった. 〗 この研究がデバイス(反転型SiC-MOSFET)作成へとつながり、ステップ制御エピタキシャル成長法(「ステップ制御エピタキシー」)発見のヒントとなった.

SiC半導体研究業績紹介

「ステップ制御エピタキシャル成長法」では、SiC基板の上にSiC薄膜結晶を成長させた. この技術は今日のSiCパワーデバイス実用化を可能にした.  反応管の中で、シラン(SiH4)とプロパン(C3H8)を反応させ、SiC基板の上にSiC薄膜結晶を成長させる. ディボラン(B2H6)とフォスフィン(PH3)はドーピングガス
「ステップ制御エピタキシャル成長法」によって、SiC結晶成長層の表面が鏡面状になり、良質のMOSFETを安定作成できるようになった.(上の a) に対して下の b) ) 

世界初 反転型SiC-MOSFET作成 は IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS に掲載された

「ステップ制御エピタキシャル成長法」によって SSDM Award (SSDM賞)を受賞した

SSDM 賞の賞状
SSDM 賞 の表彰式
SSDM 賞の盾
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