受 賞(Awards)

2005年 SSDM Award

芝原健太郎らは、ステップ制御エピタキシー1の実現で松波名誉教授らと共にSSDM Awardを受賞しました。

受賞対象論文

“Step-Controlled VPE Growth of SiC Single Crystals at Low Temperatures“ 全文
SSDM 1987, https://doi.org/10.7567/SSDM.1987.C-4-2

業績の意義|Significance

芝原健太郎らは、6H-SiC(0001)基板にオフ角を導入することにより、高品質な6H-SiCのホモエピタキシャル成長を初めて実現しました。「ステップ制御エピタキシー」と名付けられた本成果は、今日のSiCパワーデバイス実用化の出発点であり、当該分野における最大のマイルストーンと評価されています。

この成果には、芝原らが先に行っていたSi(100)オフ基板上での3C-SiC結晶成長とAPD抑制に関する研究が基礎となっています。2

SiCパワーデバイスは電気自動車・AIデータセンタ・再生エネルギーなどで使用され、市場規模は年々拡大し2031年には約110億米ドルに達すると予測されています。3

主要国際会議SSDM(固体素子・材料コンファレンス)で最高の栄誉であるSSDM賞、松波名誉教授と西野元教授の寄稿を紹介します。

SSDM賞の賞状
SSDM賞受賞式

SSDM谷口委員長と芝原

受賞者右から:黒田尚孝,芝原健太郎,,Woo Sik Yoo,西野茂弘,松波弘之(敬称略)

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  1. 「ステップ制御エピタキシー」:(step–controlled epitaxy):「ステップ制御エピタキシャル成長法」(step-controlled epitaxial growth)のこと。基板上に欠陥の少ない鏡面状のSiC単結晶薄膜を成長させる方法。高耐圧・低損失が求められる高性能SiCパワーデバイスの製造に不可欠な基盤技術で、この技術によってSiCパワー半導体の実用化が可能になった。 ↩︎
  2. 芝原らが先に行っていたSi(100)オフ基板上での3C-SiC結晶成長とAPD抑制に関する研究が基礎となっている。:受賞対象論文(Extended Abstract )の序文には「近年の研究において、筆者らは Si(100) 基板のオフ方位がアンチフェーズドメインの消滅に有効であることを明らかにした。……6H-SiC 基板上への 3C および 6H-SiC の CVD 成長はこれまでにも報告があるが、基板のオフ方位の効果を明確に論じた研究はなかった。」(和訳)と述べられている。
    そして以下の3件が引用文献となっている。
    K. Shibahara, S. Nishino, and H. Matsunami, “Surface-morphology of cubic SiC(100) grown on Si(100) by chemical vapor deposition”, J. Crystal Growth 78 (1986) 538-544.  [DOI: 10.1016/0022-0248(86)90158-2]
    K. Shibahara, S. Nishino, and H. Matsunami, “Antiphase-domain-free growth of cubic SiC on Si(100)”, Appl. Phys. Lett., 50 (1987) 1888-1890. [DOI: 10.1063/1.97676]
    K. Shibahara, T. Saito, S. Nishino, and H. Matsunami, “Inversion-type N-channel MOSFET Using Antiphase-domain Free Cubic-SiC Grown on Si(100)”, Extended Abstracts of the 18th International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 1986), Tokyo, pp. 717–718, 1986. ↩︎
  3. 市場規模は3000億円を超え年々拡大しています:フランスの市場調査会社Yole Groupの最新予測によると、炭化ケイ素(SiC)パワーデバイス市場は2025~2031年まで年平均成長率(CAGR)20%で成長し、2031年には110億米ドルに達する見込み。 ↩︎

編集履歴:2026年5月英語ページ作製、8月本文・脚注追加